キリンビール(1) 一番搾り(1)

概略

本稿は役所広司氏が出演していたキリンビール「一番搾り」に関し、1998年頃から2003年まで制作されたものを採り上げる。「役所広司=ビール」という印象を決定づけたほか、食い意地の張ったキャラ付けが印象深いシリーズであり、このCM派生作品として「うまいが一番」が制作されるなど、その後の役所広司氏のCM出演に大きな影響を与えたといえる。(初稿 2022.8.25)

「そら豆」 編  放送時期 1998.4

そら豆農家から初物買い付けし、冷えたビールでいただくというもの。これが本シリーズ最初の可能性もあるが詳細不明である。(初稿 2022.8.25)

「平成10年お中元」 編  放送時期 1998.7

役所広司氏がお中元キャンペーン抽選に「当たったぁ」と喜ぶもので、なかなか佳い表情である。ところでそろそろ中元時期も終わり。ニューヴァージョンの期待がもてる。私の予想では「焼き松茸を食べる役所氏」「秋刀魚を食べる役所氏」あたりが登場するのではなかろうか?
このCMの関連番組と思われるものとして、「うまいが一番」がある。これは関東圏のみの放送らしく、北海道在住の私はほとんど見たことがないが、現在役所氏のお姿を毎週見ることの出来る唯一の番組である。ぜひ全国放送を望みたいところだ。(初稿 1998.7.24)

「ご挨拶」編  放送時期 1998.10

それまでの「役所広司氏が何か食べている」シリーズからちょっと離れたもので、「こんにちは、役所広司です」という挨拶のみで構成される。一時期よくオン・エアーされていたので記憶に新しいところだろう。しかしながらCMの出来という観点からするとどうなのだろうか。やはり「食材シリーズ」のほうが「次は何がでるのかな」という期待感も持てるし面白いと思う。(初稿 1998.10.26)

「焼き蟹」編  放送時期 1998.11頃

ここで再び食材シリーズ復活となった。会社の同僚3人で居酒屋に行った役所広司氏。そこに注文していない「焼き蟹」が運ばれてくるが、間違いだったため取り下げられる。見てしまったが最後「いくらぐらいするのかナァ」と心配しながらも注文してしまうところが「食い意地の張った」キャラクターが出ている。(初稿 1999.1.3)

「鮭の皮焼き」編  放送開始 1999.1

夜遅く(恐らく新年会帰りといったところか)常連の飲み屋に行ってみたが、流石にもうやっていない。ところが店の奥で親父が何かやっている、それが「鮭の皮焼き」というもの。「旨そうですね」と入り込んでいくあたりに、このシリーズに一貫している「食い意地の張ったところ」が出ている。(初稿 1999.1.3)

「焼き筍」編  放送時期 1999.4

友人二人と筍を取りに行った役所広司氏であるが、苦労したのに一本も見つけることができなかった。結局友人が取ってきた筍をシリーズの流れである「食い意地」を発揮して食べてしまう、という内容。ところでサッポロ「黒ラベル」のCMでも山崎努氏が焼き筍を食べていたが、どちらか先なのだろう。ちょっと気になった。(初稿 1999.4.10)

「平成11年お中元」編  放送時期 1999.6

恩師(おそらく大学のゼミの教授あたりか)の家にお中元を届けに行くというシチュエーション。ポイントはお中元キャンペーン抽選で「工場直送のビヤ樽」がお中元をもらった人のみならず贈った人にも当たるという点にある。無造作に応募ハガキを捨てようとする恩師に対して「ちょっと待って」と慌てるあたり、このCMシリーズの一連の流れである「欲望」ありありな様子が見えてくる。(初稿 1999.8.15)

「アニメーション」編  放送時期 1999.8

なんとも表現しにくいヴァージョンである。ほとんどのシーンがアニメーションによる手とよく冷えた一番搾り缶の映像と役所広司氏の声で、ご本人の姿は最後に飲んでいるシーンだけ。前年の「ご挨拶」編に似たような感じである。(初稿 1999.8.15)

「鰺フライ」編  放送時期 1999.9

今回は鯵フライである。初めて見た時、魚箱に書かれていた「長浜」という文字から、「あれは鮒のフライではないか」という勘違いをし、掲示板にもそんなことを書いてしまった。何回か見るうちに実は単なる「長浜魚店」という店の魚箱で、食べている物も鯵のフライであることが判明、推測で物を書くのはいけないとまた痛感した。ところで、一番搾りにはラジオCMもあり、FMを聴いていると結構よくかかる。今回の鯵フライについては「とうとうやってきました、僕の好物、鯵フライでーす」と妙に弾んだ声で始まる。本当に役所広司氏の好物なのかもしれない。(初稿 1999.9.30)

「生・一番搾り 新発売」編  放送開始 2000.1.15

前回の鯵フライ編から数ヶ月役所広司氏の一番搾りCMは無かったが、一方の中山美穂氏*1 は「黒一番搾り」「鍋底大根」「牛タン」と3ヴァージョンもあったにもかかわらずである。「契約切れ」も懸念されたところであるが、2000年初頭に新ヴァージョンが登場。と言っても今回は食材シリーズではなく、「生・一番搾り新発売」ということで、単にビールをジョッキで飲んでいるだけの構成。次回以降に期待したい。(初稿 2000.1.22)

「花見」編  放送開始 2000.3.1

未見。あくまでも推測であるが花見がテーマということなら北海道では放送されなかった可能性もある。(初稿 2022.8.25)

「トマト」編  放送開始 2000.6.17

今回はトマトである。トマトとビールは本当に合うのかな・・・という気もするが、同時期放送されたサッポロビール「ブロイ」のCMでもトマトパスタなので意外と合うのかもしれない。トマトジュースとビールのカクテルというのもあったような気がする。(初稿 2000.7.30)

「ワカサギ釣り」編  放送開始 2000.11.13

2000年冬編はわかさぎである。これは確かに旨そうだ。ロケ地は北海道石狩郡新篠津村にある「しのつ湖」(石狩川の河跡湖)というわかさぎ釣りの名所とのこと。氷に穴を開ける際のコケ具合がコミカル。(初稿 2001.1.8)

「ビアタンクキャンペーン」編  放送開始 2000.11.15

一時期掲示板で物議をかもした広末涼子氏との共演CMである。キリンの2大商品「一番搾り」「ラガー」のメインCMキャラクターである役所広司氏と広末氏がビアタンクでジョッキにビールを注ぐ(役所氏が広末氏に注ぎ方を教える)というもの。個人的には広末氏との共演は「可」なのだが、先にも記したがかなり反発が多く、同じ一番搾りに登場している方との共演が観たい、という意見(これは個人的には「絶対不可」)もあった。(初稿 2001.1.8)

「手羽塩」編  放送開始 2001.3.17

「樽詰・生 店を探す」編  放送開始 2001.4.1

「お中元で当たったお肉」編  放送開始 2001.6.16

「春たこ」編  放送開始 2002.3.16

舞台は佐賀のあたり(らしい)。タクシー車中の会話で、「この時期は春蛸を食べなきゃ」と運転手に言われ、Uターンして海沿いの食堂へ直行。子持ちの蛸に舌鼓、という展開。運転手は佐賀弁だが、惜しいことに役所広司氏との直接会話は無く、長崎弁は登場しない。
このヴァージョンはワールドカップチケット抽選告知CMもかねており、サッカーボールをヘディングする役所氏も見ることが出来る。何となくぎこちなく感じたのは私だけだろうか。(初稿 2002.7.8 改稿 2022.8.25)

「もち豚」編  放送開始 2002.9.7

秋~冬頃の市場。道行く人が「もっちもっち」と言いながら串焼きを食べている姿を見つけた役所広司氏。その姿に惹かれ売り場を探し続け、ようやく「もち豚」と書かれた札を見つけいつも通りうまそうに食す、という展開。もち豚は本来新潟近辺に産する豚の一種らしいが、撮影は春たこ編に続いてまたも九州とのことである。また、設定は秋~冬だが撮影は夏の終わり頃とのことで、撮影の苦労がしのばれる。(初稿 2003.1.6)

「ひつまぶし」編  放送開始 2003.7.12

半年以上新ヴァージョンが無く心配させられたが、夏ヴァージョンにひつまぶし編が登場。うなぎ屋で汗だくになりながらひつまぶしを食べる、という展開。このCMと前後して公演されていた「ふたたびの恋」劇中にも「ひつまぶし」の下りがあったことは偶然の一致ではあろうが、よく出来ている。(初稿 2003.12.14)

「きのこ奉行」編  放送開始 2003.9.20

秋ヴァージョンはきのこ。居酒屋で鍋奉行ならぬ「きのこ奉行」ぶりを発揮する、という展開。共演に菅原大吉氏。「ぶなしめじ」「エリンギ」というきのこの取り合わせを見て、キリンビールとホクトのコラボレーションCMと感じたのは私だけではあるまい。(初稿 2003.12.14 改稿 2022.8.25)

「2003年毬花一番搾り」編  放送開始 2003.11.12

2002年から発売開始された秋季限定醸造の毬花一番搾り。このCMは本編と別に製作されるが、2002年は役所広司氏ヴァージョンのオンエアがなく、その代わりが例の人*1なので、大いに不満であった。今年はめでたく役所氏ヴァージョンが登場。舞台が遠野というところがオールドファン的には味わい深い。(初稿 2003.12.14)

*1 当時の一番搾りCMキャラクターは役所広司氏と中山美穂氏であった。

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