恐怖の二十四時間

放送日 1991年9月6日「金曜ドラマシアター」(フジテレビ系)
タイトル 実録犯罪史シリーズ 恐怖の二十四時間 連続殺人鬼西口彰の最期

この作品もホームページ開設当初から色々な方に情報をもらっていた作品である。そんなこともあり管理人も見たいと思っていたのだが、「2時間ドラマ」というのはほとんど「一期一会」的な世界で、再放送の可能性は極めて低いことは皆さんもおわかりかと思う。それゆえに2時間ドラマの再放送枠(北海道であればテレビ朝日系平日2時台・TBS系土曜1時台・フジ系土曜4時台など)は欠かさずチェックしていたが、この「恐怖の二十四時間」の放送日はたまたま朝に新聞を見る暇がなかった。なんと営業先のお客さんの家で放送されていることがわかり(最初は「何だか役所広司に似ている人が出演してるナァ」と思った)頼み込んで録画してもらったわけである。それにしてもなぜチェック漏れしてしまったか。ここが落とし穴なのであるが、2時間ドラマは放送当時のキー局ではない放送局で再放送されることもある。今回の場合、放送当時のキー局がフジであったにもかかわらず、再放送はテレ朝系の放送局だった。こういうことがままあるようで、かなり注意しておかないと危険である。

能書きはこれぐらいにして本題に入ろう。熊本の玉名で死刑囚の教戒師をするかたわら、彼らの再審運動に情熱を傾ける篠川偵淳(河原崎長一郎)のもとに、ある日の朝東京からその運動に共鳴したという川村角次と名乗る弁護士がやってくる。役所氏演ずるこの川村弁護士は、実は連続殺人鬼として指名手配されていた西口彰であった。篠川の次女の由理はいち早くそれに気付き、偵淳や母親の喜佐子(丘みつ子)・長女の暁子(横山めぐみ)らに話すが、相手にされない。しかし川村が弁護士なら当然知っているはずの事を知らなかったり、運転の活動資金の話しかしないことに疑問を持った篠川は、川村が弁護士事務所に電話した内容が全く会話になっていないことを家に備え付けてあった親子電話から知り、疑念を深める。その後川村が前日に家に届いていた郵便を盗み持っていたことがわかり、家族は川村が西口であることを確信した。早速警察に連絡し、刑事は深夜にやってくることとなる。家族はそれまでの間西口に気付かれずに恐怖の夜を過ごすこととなる・・・

実録ものだけにとんでもない荒唐無稽さやどんでん返しというものはないが、家族が訪問者が西口であることを確信した後の行動は真に迫ったものがある。ところでこの家族の中に横山めぐみと角田英介(長男の巧役。後に「刑事追う!」でも共演)がいるあたりは着目すべきだろう。「弁の立つ有能弁護士」と「粗暴な殺人犯人」の切り替わりが巧み。見所はグレていた巧を諭すシーンの凄みと、息子に会えない父の苦悩を表した「泣き」のシーンである。この2つの全く様子の異なるシーン(どちらもその根には西口の人間性を示すエピソードであるが)が違和感無くつながっているあたりは流石といったところである。

(初稿 1999.4.10)

現在(2022年)北海道における2時間ドラマ再放送枠はほぼ絶滅状態にあるが、本作は頻繁にCS放送されているので視聴機会には恵まれている。

(追記 2022.7.18)

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