この曲は、「宮本武蔵」の挿入歌である。
第20回「必殺鎖鎌」のラスト、吉岡道場との決戦のため京都に向かう宮本武蔵(役所広司)が浜辺をひとり歩く場面で使用されているもので、役所広司が歌唱、作詞は本作の脚本家である杉山義法、作曲は本作の劇伴担当でもある三枝成彰である。
何の脈絡も無く突然流れた曲ということもあり、この曲は当時から人気が高かった。当然にレコード化されるものと思っていたが、結局何ともならなかった。
長らくその理由がわからなかったが、どうやら原作者(吉川英治)サイドから歌詞に関する使用差し止めがあったようだ。
そうした事情から、作品後半では歌詞ありの形では使用されず(劇伴についてはその後も頻繁に使われた)、「総集編」でも使用されていなかったため、長らく幻の曲であったが、2004年に発売された「宮本武蔵完全版DVD-BOX」においてはカットされること無く全曲を聞くことができるようになった。
(初稿 2000.6.19 改稿2022.8.4)