SAYURI

予定通り(実は開始時刻を間違えて初回は見逃したが・・・)「SAYURI」を鑑賞。

恐らく映画としてどうこう(メインキャストが日本人ではないということが多そうだが)というレビューは山ほどあるだろうが、ここは本旨に立ち返り「役所広司氏の登場場面」に着目したコメントを残すことにしたい。

役所広司演ずる延は、物語中盤になって登場する。最初の登場シーンは相撲観戦場面であった。筆者は「いよいよ役所広司の登場だ」と待ち構えていたが、周囲の観客にとって「舞の海の登場」に相当のインパクトがあった様子。

相撲・商売・戦争が人間の全てと語る延は、人生を勝負と位置づけているところで、まさに劇場キャストポスターのキャッチ「野望」そのものの印象

初対面からさゆりを気に入るも、相手はその先の人物を見ているという哀しさ。

色街の機微を承知の上で行動している会長と、融通が利かない延。
この対比に「戦前」「戦後」を感じたのは私だけだろうか。

ストーリー上は、終盤の行動の端々から「憎まれ役」ではあろうが、実際には延のような行動をとってしまうのが人の性であろう。

(初稿2005/12/10)

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