北海道では、昨日より札幌と旭川の映画館で公開されたが、私は札幌の映画館(ミニシアター系)の初回で鑑賞。

観客は席が100ぐらいのところに、40強といったところ。
この映画館には、過去にも「ユリイカ」と「油断大敵+東京原発の併映」で行ったことがあるが、今回が最も入りが良かった。

客層は様々であったが、「60前後のおばさん」が数名いたのは意外。明らかにターゲットからは外れている気もするが、会員とかなのかもしれない。


黒沢清作品といえば、「難解」が枕詞であろうが、今回は私が過去に鑑賞した役所広司主演の黒沢映画の中では最も「わかりやすい」部類であった。

私がこれまで鑑賞した黒沢作品(基本的にホラー系は好きな部類ではないので、役所広司主演作のみということになるが・・)は、「時間の経過により徐々に謎が深まり観客も混乱する」ものが多いような感が強いが、本作については「謎が徐々に解明される」過程があり、その点で「わかりやすく」感じたのだろうか。

葉月里緒奈・小西真奈美というキャスティングは流石に巧い。

「赤いワンピースの幽霊(?)」は、顔面の特殊メイクが無い上に、実態感もある(見た目は普通の人間である)ことから、ややもすると怖さを感じなくなってしまう懸念もあったろうが、葉月里緒奈独特の表情の無さが効果的であった。

一方の小西真奈美。主人公の恋人(という表現は?かも)役というのは実年齢から行くとかなり無理がある設定になるのだが、ガイアの夜明けでもわかるように、役所広司は年齢のボーダーを超えた演技はお手の物なので、違和感は無い。
同様に、実際は7歳年の差がある伊原剛志とのタメ口にも違和感は皆無であった。

(初稿2007/3/11)

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